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決め手はマネージャーの「聞く力」!~部下のワーク・ライフ・バランス支援の注意点とは?~

コラム
 最近よく耳にする「ワーク・ライフ・バランス」という言葉。労働条件の改善や、育児休暇制度の導入などを通じて、社員のワーク・ライフ・バランスの実現支援策を打ち出す企業も増えてきました。
 これからは、こういった支援策をどう定着させ活用させるかがマネージャー層の課題になってきます。では、ワーク・ライフ・バランスを実現しやすい職場づくりには何が必要なのでしょうか?また、マネージャーには何が求められているのでしょうか?
■ワーク・ライフ・バランスの真意
 言葉自体は定着してきたものの、ワーク・ライフ・バランス=「仕事をほどほどにして私生活を充実させること」と誤解している人も多いものです。しかし本来、ワーク・ライフ・バランスは「仕事にいきいきと取り組んでいること」が大前提。例えば会社員なら、会社や上司から指示される仕事や、自分がやりたい仕事をきちんとできると同時に、仕事以外の私生活でもやりたいこと・やるべきことができる状態こそ「ワーク・ライフ・バランスのとれた状態」と言えるのです。
 ここで注意したいのは、「私生活でやりたいこと」が人によって、さらにライフステージによって違うと言うことです。例えば、今、ワーク・ライフ・バランス支援というと「育児支援」のみを打ち出している企業がほとんどですが、子供がいない、あるいは子育てが終わった社員のワーク・ライフ・バランス支援策は重要視されていない傾向にあります。しかし年齢や性別など多様な人材を抱える企業には、社員一人ひとりにふさわしいワーク・ライフ・バランス支援を、いわばオーダーメイドで行うことが求められているのです。

■ワーク・ライフ・バランス支援は3ステップで

 では、具体的に企業は社員のワーク・ライフ・バランス支援にどのように取り組んでいけばいいのでしょうか?専門家は次のような3ステップでの取り組みを提唱しています。

ステップ1:
職場風土の改革 多様な価値観、ライフスタイルを受け入れる職場づくりの推進。中でも「ワーク・ライフ」ならぬ「ワーク・ワーク」が当たり前だったマネージャー世代への意識改革が特に重要。
ステップ2:
働き方の改革フレックスや自宅勤務の導入などを通じて、各社員が希望のスタイルで働けるよう役割分担をする。「全ての社員が、残業できる」という過去の前提を見直し、限られた就業時間内に社員が効率よく働ける仕組みをつくる。
ステップ3:
両立制度の整備 育児休暇制度、介護休暇制度など具体的な制度を検討・導入する。

 日本企業のワーク・ライフ・バランス支援が得てして、うまく機能していない理由は、上の3ステップのうち、ステップ1と2を抜かして、いきなりステップ3から始めてしまいがちなところにあります。
 例えば、男性社員が育児休暇をとりたい場合、「育児休暇制度」があるのですから、堂々と取得すればいいのですが、なかなかそうはいかないのが実情です。
 なぜならステップ1=職場風土の改革が十分できておらず、『男性も育児休暇を取る』という価値観が受容されにくいからです。そして、たとえ取得したとしても、ステップ2=働き方の改革がなされていないため、職場復帰後に子育てと仕事をバランスよく両立できる「働き方」が整備されていないことへの不安も大きいものと思われます。

■マネージャーに求められるものとは?

 社員の意識改革にもっとも有効な手段とは何でしょうか?それはマネージャーが部下と積極的に関わること、そして社員一人ひとりから、その人にとっての「ワーク・ライフ・バランスとは?」を聞き出し、それを実現するためのキャリアプランを共に考えることです。例えば育児休暇を取る予定の女性社員からは、復帰後の仕事内容や働き方について、具体的なキャリアプランを事前に話し合っておくことが非常に重要です。
 ワーク・ライフ・バランスのバランスが崩れると、ストレスがたまり、結果として仕事に意欲的に取り組めないようになります。これはその社員自身にとってはもちろん、一緒に働く他の社員、しいては会社全体のマイナスになります。これを防ぐためにも、マネージャーには部下から働き方への希望や長期的なキャリアプランを「聞き出す力」が、今後ますます強く求められるようになってくるのではないでしょうか。